第3 回アジア子どもの権利フォーラム2014 モンゴル大会

2014 年8 月23 日(土)~8 月24 日(日)に開催された同フォーラムの主題は「子どもの権利条約国連採択25 周年記念」「子どもにやさしいアジア社会を創る-子どもの権利実現への展望」でした。二日間にわたるフォーラムでは、アジアにおける子どもの権利条約の実現に向けて、各国における国レベル・自治体レベル・民間レベルの子どもの権利保障のための取組状況を共有し、各国に共通する課題や各国独自の課題を明らかにすることで、各国が連携・協力してアジアの子どもたちの権利保障を進展させるための道筋を探るための報告と議論が行われました。2009 年のソウル大会、2011 年の東京大会の成果を受け継ぎながら、フォーラムを通じて、各国で子どもの権利保障の進展に携わる国際機関、政府関係者、NGO、研究者、実務家等のネットワークを形成し、アジア各国およびアジア全体における子どもの権利条約の実現にむけた研究の進展がはかられてきました。
今年度はモンゴルでの開催にあたり、モンゴル国家人権委員会を中心とした主要な国内機関・国際機関・NGO の参加があり、さらに地方からの参加者を含むモンゴル国内参加者と海外参加者合わせて160 人を超える規模の会議となりました。初日は主催者のモンゴルより国家人権委員会が本フォーラムの主旨を説明しました。その後の第一セッションでは甲斐田万智子さんをモデレーターに児童労働について、モンゴル、カンボジア、インドから事例報告がありました。モンゴルでは、娯楽としての競馬の騎手に子どもがつかされるケースについて問題提起がありました。カンボジアではNGO で活躍するVichuta さんより家事労働、ゴミ収集、花売り、建設業、農場労働、煉瓦製造、車の洗浄、道路工事、性産業と言った児童労働現場の問題点が指摘されました。インドのGanapathi さんはAll work is not bad.と述べ、どのような労働が子どもにとって「悪」なのかを検証しました。さらに、子ども自身がもっともよく知っている、として、子ども参加による問題解決の重要性をひときわ強調しました。
吉永が韓国のEunmi 教授とともにモデレーターを務めた第二セッションではSUPPORT FOR CHILDREN AND THE DEVELOPMENT OF CHILD-FRIENDLY CITY と題して、韓国、モンゴル(フィリピン)、インドネシア、日本の報告がありました。まずユニセフ・モンゴルから、Ms.Grace Agcaoili, Regional Delegate とMs.Mandalがそれぞれアジアにおける子どもにやさしいまち(Child Friendly City, CFC)の進展状況とモンゴルの現状を報告した。二番目はインドネシアの子どもと女性省副大臣のMs.Lenny N. Rosalin が国をあげて急激にCFC を展開させてきた過程を説明し、Child Friendly Company など民間も取り込みながら進める新しい手法についても紹介があった。次に、韓国のProf. Lee Jae yeon,. Sookmyung Women's University より韓国におけるNGO を核とするCFC の取り組み事例の紹介があった。最後に東日本大震災の被災地である岩手県山田町でZonda ハウスという中高生の居場所づくりに取り組む東洋大学の森田明美教授の発表があった。初日にモンゴルの若者代表として挨拶した参加者より韓国における若者参加の方法論に関する質問がありました。

CFC をアジアで展開する場合は、広大な地域で社会経済的状況が多様で、子どもを巡る状況に大きな違いがある現状を踏まえると、フィリピンのChild Friendly Movement やモンゴルのChild Friendly Communityなど、地域に即して自治体全体に広げる前段階の多様な形態での取り組みの形が必要であることが共有されました。一方、韓国や日本の事例は先進国でも子どもたちは多くの負担を背負って暮らしており、特に災害は都市的社会にも大きな影響を及ぼすことから、子ども支援の仕組みづくりと子どもへの丁寧なケアの重要性が再認識されました。インドネシアの大統領がCFC を掲げる市長からの転身であったことから考えても、CFC を推進するためには首長の強力なリーダーシップが不可欠であり、今後も情報共有しながら、アジアにCFC を広めていこうと言う思いを参加者はあらたにすることができました。最終日には第三セッションとして「アジア子どもの権利機構」として韓国、日本、モンゴルの事例発表が行われました。子どもの権利についての問題を一手に引き受ける政府機関を持つ韓国とモンゴルに比して、日本では自治体レベルでそうした体制づくりが先んじて構築されてきたことが示されました。
各セッションでの議論を踏まえた提言文が採択され、二年後の第四回の開催を目指して、活動することを誓い、閉会となりました。午後は郊外の50 カ国から50 万人が訪れたというインターナショナル・チルドレン・センターを見学した。

 


写真:上段左;代表で挨拶した17 歳、中;会議に参加するこどもたち、右;カンボジアのVithuta さんとインドネシアのLenny さんと

下段左;モンゴルUnicef のJudith さん、Vichuta さん、モンゴルUnicef のGrace さん、甲斐田万智子さんと、中;参加者、右;Children Center で視察参加者にゲームを教えてくれる子どもたち

2014年 春号